2009年6月17日 (水)

Enma for Debian/Ubuntu

第7回のカンファレンスの会場でいただいた質問票の中に、「Ubuntuなどに入れるべき」と書いてありました。「何を」入れるのか書いてありませんでしたので、意味がよく分かりませんでした、どうもすみません。カンファレンス後に、これは「EnmaをUbuntuに入れる」と言う意味だろうと勝手に解釈しまして、それはいい考えだと思い、知り合いのDebian開発者にお願いしましたところ、めでたく6/13にDebianのレポジトリに収録されました。これで、DebianのみならずUbuntuからもapt-getできるようになりました。

ご尽力いただいた荒木さん森本さんに感謝します。ぜひ、Debian/Ubuntuユーザの方々に活用していただきたいと思います。

迷惑メール対策委員会 委員長 樋口貴章

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2009年4月 6日 (月)

ENMA 1.1.0

昨年、IIJからオープンソースライセンスでリリースされた、ENMA。その新しいバージョンがリリースされました。ENMAは、sendmailのmilterソフトウェアで、送信ドメイン認証の受信サーバ側での検証を行うものです。最初のリリースではSPF/Sender-IDの検証をサポートしていました。このENMA 1.1.0で追加サポートされた機能は

  • DKIM 検証のサポート
  • 指定したアドレスレンジからの接続に対する認証処理のスキップ

ソースコードおよびバイナリパッケージは以下の場所から入手可能です

http://sourceforge.net/projects/enma

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2009年3月25日 (水)

DKIM対応サイト情報

3/12に、DKIM(DomainKeys Identified Mail)の情報提供サイトDKIM.orgのDave Crockerから、DKIM Software and Services Deployment ReportsにDKIM関連のDNS機能を提供しているかどうかという項目が追加されたと言う案内メールが来ました。そのレポートをざっと眺めたところ、日本からはIIJのサービスIIJ Secure MX Serviceが掲載されているだけのようです。

テンプレートを埋めてメールすると掲載するそうですので、DKIMサポートしている日本のISPの方々や、DKIMをサポートしているメールサーバーソフトを開発されている方々、ぜひ情報提供にご協力お願いします。

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2008年3月10日 (月)

第五回迷惑メール対策カンファレンスは2008年5月20日

ブログの更新がなかなかできなくて済みません。3月の迷惑メール対策委員会での検討の結果、ブログのタイトルが「対策情報」→「よもやま話」になりました。厳密に言えば対策情報と言い難いような話も含めて、迷惑メールの周辺の多種多様な話を適宜提供していくのが目標です。

さて、当協会からのプログラム内容を含めた正式発表は4月になる予定ですが、日程は確定しているので、事前告知しておきます。これまで毎年5月に行ってきた迷惑メール対策カンファレンス、今年は第五回になりますが、開催が決定し、日程と場所は確定しました。現在、4月の正式発表に向けてプログラム内容の確定のために鋭意作業中です。5月20日(月)、午前中からの丸一日企画を検討中です。詳細は正式発表をお待ちください。場所は例年通りコクヨホールです。ひとまず、皆様のスケジュール確保、よろしくお願いします。

あと、昨年、書きかけて放置していたものを追記しておきます。

---引用始め

第四回迷惑メール対策カンファレンスを終えて

5月に四回目を迎える迷惑メール対策カンファレンスを開催し、今回も多くの来場者を得て、カンファレンスそのものは成功裏に終えることができたと考えている。いつも思うのは、このようなネガティブなテーマに多くの人が来場すると言う状況はいいことなのかということである。一番良いのは、このようなカンファレンスを開催せずに済むように、「え、迷惑メール?昔はそういうのもあったんだってねぇ」と言われる世の中を作ることだが、今のところ、なかなか難しそうである。一番悪いのは、みんな迷惑を被っているにもかかわらず、誰も何もしないことである。そう言う意味では、なんとかしようと考えている人たちが多く集結してくれる状況というのは、悪くない。そう考えてきたが、特に今回は、そうやって集まっていただいた方々に今までの対策の手応えを感じてもらえる内容であったと思う。カンファレンスの講師の方々、参加者の皆さん、そしてスタッフ一同に感謝したい。今回は制度的な解釈の進展も示され、JEAGからはOP25Bの成果に関して納得のいけるデータを提供していただき、迷惑メール対策の一つとして着実な進展があったことを提示できたのではないだろうか。迷惑メールを即座に100%シャットアウトすることは困難だが、少しずつでも迷惑メールを出しにくい状況を整えていくことが重要であるし、そのために遅々たる一歩かもしれないが進むべき部分は進んでいるのだと言うのは明るい話であろう。

---引用終わり

現時点から顧みると、甘い見通しだったような気もしますが、OP25B自体は、迷惑メール対策の終わりではなく、始まりに過ぎませんので、それほどボケた話でも無いかなあと考えて、当時の気持ちをそのまま載せてみることにした次第です。今年のカンファレンスでは、その先に進める話をできるだけプログラムに盛り込みたいと考えています。そうでないとカンファレンスする意味ありませんからね。今年は迷惑メール対策関連の法改正も行われます。迷惑メール送信者を包囲する動きは着実に進展しています。

ん~、今回も、ちょっと硬めの話かもしれません。次回以降、もう少し柔らかめの話も書いていきたいと思います。

記: 迷惑メール対策委員 樋口貴章

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2007年4月26日 (木)

『迷惑メール』と言う用語

以前、submissionの訳語として『投函』を用いることに関して書いたが、用語の問題が重要なのは、迷惑メール対策に限った話ではない。翻訳を行うと、その訳語が適切であるかどうかと言う問題以外に、訳語が持つイメージで、本来意図されていたことと異なる解釈や行動が生まれてしまうこともある。こういった問題に関する考察に関しては、柳父章の『ゴッドは神か上帝か』が、キリスト教におけるゴッドの概念が日本や中国に伝えられた際の訳語のもたらした社会的影響に関して触れていて興味深い。

と言うわけで、今回は『迷惑メール』と言う用語についての話。元々、古くからのインターネット技術者からはスパム(spam)と呼ばれていた。このスパムと言う呼称は、符牒(jargon)であるので、一般の人には分かりにくい。そもそも、呼称の由来からして、一般の日本人には分かりにくいだろう。スパム(Spam)とモンティ・パイソンの二つが前提知識として要求されるからである。この詳細は、Wikipediaなどにも解説があるので、そちらにお任せしよう。

そこで、英語ではUnsolicited Commercial E-mailと言う用語が使われているようだ。受信者の了承を得ずに送りつけられた、商用利用目的の電子メールと言う意味である。もっとも、国連のInternet Governance議論の場ではspamを使用していたようである。

そして、日本では『迷惑メール』と呼んでいる。この用語もあまり良いものではないのかもしれない。と言うのも、用語の一人歩きが始まる可能性がある。「いや~、『迷惑』と言うのは主観的な問題ですからねぇ」と言うものである。しかし、『迷惑メール対策』では、受け手が主観的に『迷惑』と感じるメール全てを対象としているわけではない。さすがに、法律の方はそういう誤解が起きないように『特定電子メール』として、取り締まる対象を条文に定めている。しかし、『特定電子メール』と言う用語だけでは具体的に何を指しているのかイメージがつかみにくいので、結果的に一般用語としては『迷惑メール』が使われていると言うところであろう。そう言うわけで、本委員会も『迷惑メール対策委員会』と言う名称を採用するに至った次第。

また、スパム(spam)と言う用語は、メールに限った話ではない。昨今では、ブログの普及により、コメント・スパムやトラックバック・スパムと言った問題も生じている。これらの問題は『迷惑メール対策』としては基本的には扱わない。もっとも、RBLの利用によるアクセス制限などは、コメント・スパムやトラックバック・スパムにおいても有効であると言う話も聞いている。共通して適用可能な対策技術も存在すると言うことである。

記: 迷惑メール対策委員会委員 樋口貴章

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2007年1月24日 (水)

投稿 or 投函 that's the question

既にご存じの方も多いとは思うが、インターネット上で電子メールを送受信する際にはSMTPと言うプロトコルを用いる。このプロトコルは、TCPのポート25を使用する。迷惑メール送信業者やボットなどが跋扈し、大量の迷惑メールを送信していることから、このポート25の利用制限を行うのがOP25B(Outbound Port 25 Blocking)である。すべてのポート25利用者、つまりメール送信者の中から、正当な利用者と迷惑メール送信者を形式的に分別することは難しい。そこで、ひとまず全送信者をブロックすることにするわけである。
註: 細かい話をすれば、通常はOP25Bの実施対象はDHCPユーザに限定される。DHCPユーザとは、固定IPアドレスを利用せず、インターネット接続利用に際して、プロバイダから自動的に割り当てられるIPアドレスを利用するユーザであり、一般のインターネット利用者の多くがこれに該当する。固定IPアドレスを利用しているユーザの場合には、迷惑メール送信者の特定が容易であるため、特に制限を設けず、迷惑メール送信状況が確認され次第、個別撃破可能である。

では、正当な利用者はどのようにメールを送信すればよいのだろうか。

そこで用意されているのがsubmissionポートと呼ばれているポート587である。正当な利用者がメールを出すために、別の口を用意するのである。

と言うところまでが、実は前置きである。

迷惑メール対策委員会では、技術資料の翻訳なども行っており、その作業においてsubmissionの訳をどうすべきかが話題となった。現時点で広く使われている訳は『投稿』である。しかし、通常、投稿と言う言葉は『雑誌に投稿する』などのように、最終的に届く先を目的として想定していることが多く、メール送信におけるsubmissionは『自分が利用しているプロバイダのメールサーバにメールを出す』までしか意味せず、最終的に届く相手にsubmissionするわけではない。よって『投函』が妥当ではないかと言う話が出ている。投函の場合、『ポストにはがきを投函する』などのように、直接操作する対象としてのこちら側のメールサーバにメールのデータを託すと言うイメージに近いと思われる。やまとことばで言えば、どちらも『出す』ことに違いはないのだが、漢語としては『投稿』と『投函』では明らかにニュアンスが異なる。日本語としては『投函』が妥当であるとして、これまで『投稿』を用いてきたこともあり、この用語の改訂・普及は容易かどうか不明である。

訳語の問題で言えば、当初、sender authenticationを『送信者認証』と訳されていた。この訳語が使われた結果、どうも送信者個人を認証する話と勘違いされやすいことが問題視され、『送信ドメイン認証』と言う訳語を代わりに使用するようになった。メールを送信してくるドメイン(のメール・サーバ)しか認証できないからである。この『送信ドメイン認証』という訳語は定着してきたと思われるので、『投稿』から『投函』への訳語の移行も比較的早く進むかもしれない。

記: 迷惑メール対策委員会委員長 樋口貴章

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